やましなさん

地域と学生の元気づくり

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皆さんは、山科駅前灯陶路というイベントをご存じでしょうか。毎年10月に行われる、清水焼や切子グラスの器の中にろうそくを灯し、それを道沿いに置くことで山科駅前をライトアップするイベントです。このイベントの運営に携わっているのが、京都橘大学の学生たち。そして、このイベントで2012年に学生実行委員長を務めたのが大田雅之さんです。

大田さんに陶灯路とまちづくりに対する思いを聞きました。

インタビュー

地域と学生の元気づくり

今から9年前に始まった駅前陶灯路。大田さんは、「陶灯路は地域や学生の元気づくりになるイベント」と話します。陶灯路には、橘大学の有志が集まって発足する学生実行委員会をはじめ、橘大学の職員や山科の経済団体、清水焼の作家の皆さんなどたくさんの人が運営に携わっています。たくさんの人が互いに関わり合うことで、学生にとっては社会との接点を持つ機会になり、地域の皆さんにとっては地域の良いところの発見や、伝統産業のイメージアップを図る場になっており、それを大田さんは「元気づくり」と表現されています。また大田さんは、以前は具体的なマニュアルが存在しなかった陶灯路の継承のために「陶灯路手引書」というマニュアルを作成しました。イベントは、一回開催して終わりではなく、継続することが大事だと大田さんは話します。

「まちづくりなんて失敗の連続」

 大田さんが陶灯路に関わるきっかけになったのは、高校生のとき。橘大学のオープンキャンパスで、大学で山科を紹介するフリーペーパーやお土産づくりをしているのを知った大田さん。学生が地域を盛り上げようとしていることに魅力を感じました。大学生になった大田さんは、陶灯路はもちろんのこと、まちづくりに関わるさまざまな取り組みを企画し始めます。「その際に苦労はありましたか?」という質問に、大田さんから「まちづくりなんて失敗の連続なんですよ」との返事が。例えば、自分が企画したことに対して協力者が集まらなかったり、メンバー間でも意見の食い違いがあったり。しかし、こうした問題をいかに解決していくかがやりがいでもあったそうです。

山科から学んでいる身

 現在、橘大学の大学院1年生の大田さん。まちづくりに参加するだけでなく、大学でもまちづくりについて学んでいます。現在研究しているのは「近畿圏の灯りイベント」。陶灯路の運営に参加した経験から灯りイベントが地域に良い効果をもたらしていると肌で感じたそうで、灯りイベントがまちに与える影響を研究したいとのことです。インタビュー中に大田さんが何回も言っていたことが、「自分は山科から学んでいる身」ということ。それが印象的でした。今後は山科で学ばせてもらったことを活かすことができればと話す大田さん。インタビューに応えてくださりありがとうございました!7月には「七夕陶灯路」(7月4日,雨天の場合は、7月11日)があるそうなので、皆さんもぜひ行かれてはいかがでしょうか。

更新日:2020年11月4日
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