やましなさん

Beauty Salon O-Keynee

おすすめポイント

山科区御陵の美容室"Beauty Salon O-Keynee"(オーキニ)の自慢は特殊なパーマ液。なんとそのパーマ液は手に付けても荒れないうえ、顔につけたらエステ効果もあるそうです。「とにかく髪を傷めることをしたくない」とおっしゃる斉藤さんの手ももちろんツルツル。

そんな斉藤さんは、"O-KEYNEE通信"というお手紙をお客様に配っている。

A4用紙一枚にびっちり書かれた文章にはお店の宣伝ではなく、斉藤さんの家族のお話や、山科のおすすめ情報が載っていいる。まさに山科のヒトとマチが大好きなあたたかいお手紙でした。

今回はそんな斉藤さんにお話を伺った。

インタビュー

―O-KEYNEE通信を読ませていただきました。そこにも「I LOVE 山科」と書かれていますが、斉藤さんの山科に対する思いを教えてください。

もともと僕は山科出身なんですよ.学生時代を山科で過ごしたので、言ってみれば山科は人生の土台ですね。高校は洛東高で。当時はあんまり頭のいい学校ではなかったんですが。18で卒業してから、東京で14年程過ごしたんです。東京で働きながら、美容師の資格取りました。はっきり言って、東京に行った当初は山科に対して何とも思ってなかったんですけど。 東京と比べて山科は田舎臭いくらいにしか。でもやっぱり、その土地によって人間って全然違いますよね。変な話ですけど山科ってガラの悪い人が多いじゃないですか。クロックスのサンダル履いて、上下とも黒のジャージで、友達と騒ぎながらゲオに行く。そういう人が大勢いますよね。それに加えて、山科にもオシャレな人もモチロンいて、オシャレな人とそうでない人が同じ空間にいる不思議な街だと思っています。東京だと最後にいた場所が品川だったんですが。外国の方や芸能人はいっぱい見ましたけど、上下ジャージにクロックスの方はさすがに見かけなかったですね。まぁ 静かな街だったんですよ、東京は。でも、そこに自分は溶け込めなかったんです。例えばちょっと目立つような人が歩いていたら、東京の人は「うわぁ」ってなってましたけど。僕はなんとも思いませんでした。「そんなん山科にいっぱいおるわ」くらいの感じで(笑)

学生時代自転車よく盗まれたっていう話を東京の人にしたら、「えぇ? なんで自転車盗まれるの」って驚かれたこともありました。いや、山科では普通のことやのに。まぁ最初から絶対帰ってくるという思いもあるにはあったんですが。それ以上に、面白くなかったんですよ、東京が。 刺激は多かったんですけど、面白い人には出会えなかった。もちろん志の高い人はいっぱいいましたよ。でも、僕の向かうところではなかった。僕自身、そんなに有名になりたいということでもなかったですし。仕事は仕事。ですけどオフの時に一緒になって楽しめる人が周りにいて欲しいじゃないですか。ぶわっと盛り上がれる人が東京では出会えなかった。

例えばですけど、友達と焼き鳥屋さんに行っても、隣に座っている人たちとちょっと喋ったりすることってあるじゃないですか。そしたら、自分おもろいなぁって仲良くなったりもしますし。それが僕は当たり前だと思ってたんですけど、当たり前ではなかったんですね。だから僕の嫁さんとか子供にも、そういう体験をしてほしいなという思いが強い。

―奥様も山科の方ですか?

いえいえ。嫁さんは長野出身ですよ。

―もちろん奥様も、斉藤さんの思いには共感しているんですよね?

全然(笑) 僕も口に出さないですし。ただね、山科に来てすぐ、友達はできてましたよ。僕の友達の奥さんにフレンドリーな人たちが多かったっていうのもあるんでしょうけど。まぁ受け入れる街やと思ってるんでね、京都と違って山科は。京都って外からの文化や歴史をあんまり受け入れないんですよ。プライドがあるんで。昔の話ですけど、山科って市内で落ちぶれたり、住めなくなった人たちが頑張って作った街なので。その思いが今でも残ってるんでしょうね。京都っていうプライドもあるけども、自分たちだけでは何にもできない弱気な部分もあって。だったら外のものを取り入れなきゃダメだけど、怖がりだから踏ん切りがつかない。そんなこんなで、なかなか発展しないんじゃないですかね。

―どうしてO-KEYNEE通信を作ろうと思ったんですか。

ちょっと話逸れますけど、僕ね、基本的には山科以外にはお金を落とさない、食べに行かないと決めてるんですよ。そうは言っても、美容師の講師もやっているんで全国を回ることもありますし、講習先で食べに行ったりとかするんですけど。でも、美味しい店とか面白い店はこの街で見つけたいっていう気持ちは強いですね。狭いと思われるかもしれないですけど、僕は中心じゃなくて地域でやってる美容室なんで。外に外にというよりも、ます内側がどうなっているのか、ということをもっと知りたい。O-KEYNEE通信を作った理由もそこにあります。山科の人に山科の内側を知ってもらいたいっていうのを勝手に思ってるんですよ。それが、いいことかどうかは分からないですけどね。もっと外に目を向けた方がいいかもしれませんし。でも、一人くらいこんなことをしてる奴がいてもいいかなと。

― ここまで山科のために力を注げる理由を教えてください?

山科のためにというか。例えば夢っていえば、金持ちになりたいとか、子どもがいっぱい欲しいとか、人それぞれあるじゃないですか。美容師も同じで、美容師になった人みんなが必ずカリスマ美容師になって有名になりたいというわけでもないんですよ。自分の周りの人と一緒に幸せになりたいっていう人も、やっぱりいてはると思うんですよ。僕もそうです。そういう観点で考えると この山科の街って素晴らしい場所だと思ってるんです。失礼な言い方かもしれないですけど、上品な方もそうでない方も一緒になってバーベキューを楽しんだりできる街はなかなかないですよ。あと夢で言えばね、カットどうこう技術に関してはもちろんあるんですけど、 10年後、お店でパーティーを開きたいですね。オープンハウスみたいに山科の誰でも入れるようにして。そんな感じになれたらいいと思ってますね。

―山科は外部からのイメージが悪いですよね。それってどうすれば払拭できるんでしょうか?

この辺りだと花山中学っていうところは評判が悪くて。周辺の人は花山に行きたがらないから、私立、私立って言ってます。でも、花山中学の保護者さんからは、すごくいい学校だって話をよく聞きますし。実際、花山の子がなんかしたかっていうたら別にそうでもない。山科って犯罪が多いわけじゃないんですよ。ガラは悪いけど犯罪は多くないっていう不思議な街なんで。だからイメージを払拭する必要はないんじゃないですか?ほら、すごく流行ってる店に行きたいっていう人と、流行ってない店を見つけたいっていう人がいるじゃないですか。「自分しか知らんけど、ここ美味い」って。 僕は山科がそういう場所でもいいかな、と。山科のことを悪く言うなら、どうぞ、どうぞ。でも中に入ってみたら分かるからって思ってます。

―山科の人同士は仲がいい。でも外から入ってくる人もいるじゃないですか。そういう人たちも巻き込んで一緒に盛り上がっていきたいですか?

もちろん、もちろん。 色々言いましたけど、他の地域の美容師さんとも繋がりはありますし、別に爪はじきにする必要もないですよね。その代わりって訳でもないですけど、外食に行くときは山科に来てくれって宣伝してますけどね。僕らの間では山科のことを”ブーメランタウン”って呼んでるんですけど。 山科出身の女の人って結婚して出て行っても、またこっち帰ってきはることが多いんですね。離婚じゃなくて、実家の近くに住みたいという理由で、旦那も連れてくるんですよ。山科も場所によっては廃れてるじゃないですか。すごい寂しい街並みも多いですし。でも、そうやって戻ってきてくれる人が増えたら、街も元気になるんじゃないですかね。だから外から人が来てくれるのは大歓迎です。京都市内とか大阪とか。流行ってたり、出来上がってたりする場所に住むよりも、 自分たちで街を創っていく。その楽しさを味わうには、発展途上の山科は最高の場所やと思ってるんで。 だから出ていきたくないんですよね。そりゃ分かんないですよ。二十年ぐらい経っても何にも変わってないかもしれないですけど(笑)それはその先の楽しみということで。

―お客さんと接してきて嬉しかったこと?

事務職だったり接客だったり。仕事って色々な種類があると思うんですね。中には海外に行くような仕事をされている方もいたりなんかして。美容室って、その色々な人の色々な体験を聞ける場所なんですよ。どういうことかっていうと、 ものすごい悩みを抱えてて、周りの人に絶対に言えないようなことを、美容師には言うてくれたりするんですよ。言ってもどうせ当たり障りないし、すっきりするしいっか、みたいな感じで(笑)

だから結構ひどい話を聞いたりだとかもして。そうすると、美容師しかやってないのに色んなモノの見方ができるようになって。もっともっと考えを広げなあかんなぁて気持ちになってきて。東京にいた頃は、お客様に対して「キレイになってくれてありがとう」「かっこよくなってくれてありがとう」という気持ちを持ってたんですけど、 今は「すっきりしてくれてありがとう」っていう気持ちが強くなりました。喜んでいいんだか悪いんだか(笑)山科らしいでしょう。東京の人はカットが終わって「どうですか?」と訊くと、「素敵になった」って答えてくれるんですね。けど、こっちの人は「サッパリした」しか言わないんですよ、絶対に。はじめは意味が分からなかったんですよ。サッパリしたってなんやねん、そりゃ髪切ったら誰でもサッパリするわ、って。でも「こないだの髪型、評判良かった」っていう声も多くなって。

今ではその「サッパリした」って言ってもらえる瞬間がすごい好きになりましたね。

基本情報

病院・施設名
Beauty Salon O-Keynee (サービス)
小学校区
鏡山小学校   陵ヶ岡小学校  
中学校区
花山中学校  
住所
〒607-8426 京都市山科区御陵下御廟野町30-2三代ビル1階
電話番号
075-594-0092
URL
WEBサイトへ
一覧へ戻る