やましなさん

高齢者と若者との繋がりで輝く街へ

おすすめポイント

有西さんは音羽川地区に新たな老人クラブ(すこやか会)を作ろうとされている方です。

インタビュー

【自殺の原因は孤独にある】

京都府では「京都府自殺対策に関する条例」が制定され、今年4月1日から施行されています。自殺対策に関する条例は、市町村では既に制定している所もありますが、都道府県で制定するのは初めてだということです。1年間の自殺者は、全国では約3万人、京都府内では約500人となっています。また、15~39歳の死亡原因の第一位は自殺だそうです。 有西さんはこのことに驚き、ショックを受けたと言います。「15~39歳と言えば中学・高校・大学・社会人の前半という非常に充実した夢のあるおもしろい時期。こういう時になぜ自殺しなくちゃいけないのか考えたんだ」

有西さんの行き着いた答えは、「孤独」でした。 「若者の中には悩みを抱えて孤独な生活をしている人がいて、また高齢者にも同じ現象が当てはまる。充実した老後を送っている人もいれば、自分の生き方に迷って孤独な人もいる」

現在山科には60個近い老人クラブ(すこやか会)があります。しかし、看板もなく会長の名前も知られず、会員になっても横の繋がりがないというのが現状だそうです。また、山科の人口約13万のうち約3割が高齢者で、老人クラブの会員は約3,000人だそうです。「老人クラブに入っていないその何倍もの人が、孤独なまま放置されている。 一人で楽しんでいる人もいるけれど、互いに繋がっていけば互いに楽しい時間を過ごせる」

【高齢者と若者との繋がりで輝く街へ】

 「海外では高齢ボランティアが活躍している。 時間とお金がある高齢者が多いのに、日本では活躍できる場が少ない。だからそういう場を提供してあげればいいよね。高齢者も自分の生きがいを町の中で探せると思うし、若者はその手助けができると思う。 例えば、学生を集めて高齢者に戦争体験を話してもらうとかね。学生は学ぶことができるし、老人は話をしてよかったと思うことができる。孤独を感じさせないようにするには人と人との繋がりしかない。 若者と高齢者が互いに自然な形で繋がっていけば、町そのものが明るくなる。山科がそうなれば、他の町の人が『私の町もそうなりたい』と感じて、社会の空気を動かすことができる」

3か月ほど前、公園で初めて会った私たちに1時間近くお話ししてくださったおじいさんが「マンションの隣人との関わりがなくて寂しい」と言っていたのを思い出しました。明るい町や暮らしをつくるには、人と人との繋がりが大切なのだと改めて感じました。

 有西さんの取り組みで高齢者の繋がりが増えることを期待すると共に、私もできることがないか考えていきます。みなさんも何かしている・知っている取り組みがあれば、ぜひ教えてくださいね。

更新日:2020年11月4日
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