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不動産売却は短期譲渡所得と 長期譲渡所得のどっちがお得?
不動産売却によって得られた利益には「譲渡所得税」が課税されます。また、譲渡所得税は、不動産を取得して所有した期間によって「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に分かれ、税率が変化します。「どのタイミングで不動産売却を行うべき?」と迷っている方も多いでしょう。本記事では「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」の違いや、お得になる条件を詳しく説明します。不動産を売却するタイミングの参考にしてください。
1. 短期譲渡所得・長期譲渡所得とは?
短期譲渡所得・長期譲渡所得は、不動産売却による利益に課税される所得です。例えば、1,000万円で購入した不動産を1,100万円で売却し、100万円の利益が出た場合、その100万円に対して税率がかかります。
【短期譲渡所得】
- 所有期間5年以下で売却
- 所得税:30.63%
- 住民税:9%
- 復興特別所得税:2.1%
- 合計税率:41.73%
【長期譲渡所得】
- 所有期間5年超で売却
- 所得税:15.315%
- 住民税:5%
- 復興特別所得税:2.1%
- 合計税率:22.415%
短期譲渡所得・長期譲渡所得では、所得税と住民税に約2倍の差があります。不動産の所有期間を確認し、どちらのタイミングで売却すべきか検討しましょう。
2. マイホームの所有期間が10年超えの場合さらにお得に
不動産の所有期間が10年を超えている場合、「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を適用できます。この特例を適用すると、長期譲渡所得よりもさらに税率を下げられます。
【所有期間10年超で所得6,000万円以下の部分】
- 所得税:10.21%
- 住民税:4%
- 復興特別所得税:2.1%
- 合計税率:16.31%
【所有期間10年超で所得6,000万円超の部分】
- 所得税:15.315%
- 住民税:5%
- 復興特別所得税:2.1%
- 合計税率:22.415%
所得が6,000万円以下の部分は、長期譲渡所得よりも5%近く税率が下がります。譲渡所得が8,000万円の場合、以下のように計算されます。
- 6,000万円 × 16.31% + 2,000万円 × 22.415% = 1,426.9万円
3. 節税のために売却は待つべき?
所有期間が長ければ長いほど節税効果があるため、節税のために所有期間が5年や10年を超えるまで待つのも一つの方法です。しかし、1年以上待つ必要がある場合は、以下のポイントと比較して検討してください。
- 将来的な不動産の価値の減少
- 固定資産税の支払い
- 管理する負担
待ち続けた結果、税率が下がったとしても、不動産の価値が減少する可能性や、固定資産税や管理の負担を考慮すると、早めに売却した方が良い場合もあります。不動産仲介会社に相談し、査定や将来性、ランニングコストを考慮して判断しましょう。
4. 所有期間の計算方法に注意
短期譲渡所得・長期譲渡所得および特例を考える際には、所有期間の計算方法に注意が必要です。所有期間は、土地や建物を取得した日から計算をスタートし、売却時にはその年の1月1日までの期間として計算されます。
例えば「2000年5月1日」に取得した不動産を「2010年5月1日」に売却すると、所有期間は9年となります。所有期間を10年とするためには、2011年以降の売却が必要です。
不動産の所有期間によって変化する税率を理解し、節税を考えて不動産売却を始めましょう。少しでも利益を増やしたい方は、本記事を参考にして、最適なタイミングで不動産を売却してください。