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不動産価格の決まり方
不動産の売却を検討する際、多くの方は「自分の不動産がいくらで売れるのか」を気にされるかと思います。ただ、不動産の価格は「一物四価」と言われ、非常に分かりづらいものです。ここでは、不動産会社がどのようにして不動産の価格を査定しているのか、代表的な方法をご紹介いたします。
(1)原価法
同様の不動産を再び土地の取得から建築まで行ったと仮定し、かかる費用を算出する方法です。この費用を「再調達原価」と言います。その費用から現在の築年数に応じた価値の低下分を差し引いて(減価修正)、現在の価格を割り出す方法を「原価法」と言います。この方法は計算式で説明できるため納得しやすいですが、目に見えない価値を反映させづらいという欠点があります。そのため、補足程度に利用されることが多いです。
(2)収益還元法
不動産を賃貸に出した場合に発生する賃料を基に査定をする方法です。この方法は、不動産の取得価格が何年で全額回収できるかを示す「利回り」を基準にします。例えば、5%の利回りであれば20年、10%の利回りであれば10年で回収できる計算です。利回りが低いほど不動産の価格は高くなります。この方法は主に、投資用のワンルームマンション、ビル、アパートの査定に用いられます。
(3)取引事例比較法
似たような不動産が以前いくらで取引されたかを基準に査定する方法です。お住まい用の不動産の場合、ほとんどのケースでこの方法が利用されます。過去の取引事例を基に価格調整を行いますが、景気動向やその事例が正しい金額であるかどうかを見ながら価格を調整します。
注意点:「査定価格」と「実際に売れる価格」は違う
不動産には全く同じものは存在しません。例えばマンションであれば、同じ間取りや広さでも階数や眺望、隣の住人が変わることで違いが生じます。戸建てに至ってはほぼ同じものは存在しません。
また、競合物件の価格や買主様の経済状況、購入に至る背景などによっても影響を受けます。そのため、過去の事例だけで正確に「売れる価格」を算出することは難しいのです。不動産会社が買い取る場合は査定価格=売却価格となりますが、通常の不動産取引では1案件1案件が別物となります。
多くの取引は査定価格に近いところで行われますが、査定価格が絶対ではないことを理解しておくと、査定価格で売れない場合でもストレスを軽減できます。
まとめ
不動産の査定にはいくつかの方法がありますが、それぞれの特徴と注意点を理解することで、納得のいく売却ができるでしょう。査定価格と実際の売却価格が異なることを念頭に置き、適正な価格設定と売却計画を立てることが重要です。ご不明点やご相談があれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。
このブログが皆様の参考になれば幸いです。