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不動産売却には基礎控除がある? 適用できる特別控除・特例も紹介

2025.02.16

不動産売却を行えば、高額な代金を受け取れますが、売却により得られた代金から税金が取られることに注意しなければなりません。「想像していたよりも多く税金を取られてしまった」「そもそも税金を取られるなんて知らなかった」という声もありますが、適切な控除制度を利用すれば税金を抑えることができます。本メルマガでは、不動産売却時の税金対策として、控除制度についてご説明いたします。

(1)不動産売却でかかる税金とは?

不動産売却で得られた代金は「譲渡所得」に該当し、所得税・住民税・復興特別所得税がかかります。確定申告は売却した翌年の2月16日~3月15日に行わなければなりません。

譲渡所得にかかる税金は、不動産の所有期間によって次のように異なります。

  • 短期譲渡所得(5年以下の不動産):所得税30.63%、住民税9%、復興特別所得税2.1%
  • 長期譲渡所得(5年超の不動産):所得税15.315%、住民税5%、復興特別所得税2.1%

例えば、10年間所有していた不動産を売却し、譲渡所得が1,000万円発生した場合、長期譲渡所得として計22.1%の税金、すなわち221万円を納める必要があります。

(2)不動産売却に基礎控除は適用できない

残念ながら、譲渡所得に対して基礎控除はありません。ただし、税金を大幅に減らす特別控除・特例がいくつかあります。次項から、不動産売却に利用できる特別控除・特例について詳しくご説明します。

(3)特別控除・特例:10年越え所有軽減税率の特例

不動産の所有期間が10年以上を超えており、以下の条件に当てはまる場合には「10年越え所有軽減税率の特例」を利用できます。

条件

  • 居住用の不動産(自宅)を売却していること
  • 両親や配偶者、同一生計家族や内縁関係にある者等、特別な関係のある者へ売却していないこと
  • 売却した年から数えて、前年及び前々年に他の特例の適用を受けていないこと

税率

  • 6,000万円以下の譲渡所得:16.1%(所得税10%、住民税4%、復興特別所得税2.1%)
  • 6,000万円超えの譲渡所得:22.1%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税2.1%)

(4)特別控除・特例:3,000万円の特別控除

以下の条件を満たす場合には、最大3,000万円の控除を受けられる「3,000万円の特別控除」を適用できます。

条件

  • 居住用の不動産(自宅)を売却していること
  • 両親や配偶者、同一生計家族や内縁関係にある者等、特別な関係のある者へ売却していないこと
  • 売却した年から数えて、前年および前々年に本特例や損失に関わる特例の適用を受けていないこと
  • 本特例の適用を目的に入居した不動産を売却していないこと
  • 仮住まい等一時的な目的で入居した不動産を売却していないこと
  • 別荘等趣味や娯楽、保養の目的で所有した不動産を売却していないこと

この特例は、前述の「10年越え所有軽減税率の特例」と併用可能です。不動産売却にかかる税金をゼロに近づけることが可能な便利な特例ですので、条件に当てはまるかチェックしてみてください。

まとめ

不動産売却における税金対策として、利用できる特別控除・特例についてご説明しました。基礎控除はありませんが、他にも減税効果のある便利な制度がいくつも用意されています。「不動産売却で損をしたくない」「税金を減らしたい」という方は、ぜひ国税庁のホームページなどで詳細を確認し、適用可能な控除を利用してください。

本メルマガが皆様の参考になれば幸いです。不明点やご相談があれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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