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不動産売却時の建物にかかる減価償却とは?

2025.03.14

不動産売却を行う際、売却によって得られる利益には税金が課せられます。このとき、税金の計算に関わってくるのが「減価償却」です。「減価償却って何?」と疑問に思う方もいるでしょう。本メルマガでは、不動産売却に関わる減価償却の意味と計算方法について詳しくご説明いたします。

(1) そもそも減価償却とは?

減価償却とは、時間の経過によって価値が減少する資産に対し、取得費用と耐用年数をもとに年間の経費を分割する会計処理のことです。不動産売却を行う際には「建物」のみが減価償却の対象になります。

法定耐用年数

不動産の法定耐用年数は、以下の通りです。

  • 木造、合板樹脂造:33年
  • 木骨モルタル造:30年
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造:70年
  • れんが造、石造、ブロック造:57年
  • 金属造のもの:28~51年

建物の構造は、建築確認申請書や登記簿謄本などから確認できます。

(2) 減価償却は確定申告のどこに関わるものなの?

減価償却が関わるのは、不動産売却の経費として計上する「取得費用」の項目です。不動産売却には譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)がかかります。

  • 譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率

譲渡所得は、不動産売却で得た代金から譲渡費用や取得費用を差し引いた額です。

  • 譲渡所得 = 不動産売却で得た代金 – 譲渡費用 – 取得費用

取得費用の計算式は次の通りです。

  • 取得費用 = 土地の取得費 + (建物の取得費 – 減価償却費用)

減価償却は、建物の取得費を正しく計上するための重要なポイントです。

(3) 減価償却の計算方法

減価償却の計算方法には、以下の2種類があります。

  • 定額法
  • 定率法

非事業用不動産(住宅)の場合は、定額法を用いて計算を行います。

(4) 定額法による減価償却の計算方法

定額法を用いた減価償却費用の計算式は以下の通りです。

  • 減価償却費用 = 建物の取得価額 × 90% × 償却率 × 経過年数

償却率は建物の構造によって異なります。以下は木造建物の例です。

  • 木造建物の償却率:0.031

例として、2,000万円で購入した木造建物を10年経過したのちに売却する際の減価償却費用を計算します。

  • 2,000万円 × 90% × 0.031 × 10年 = 558万円

この場合、建物の取得費は2,000万円 – 558万円となり、1,442万円を建物の取得費として計上できます。

まとめ

以上、不動産売却時の建物にかかる減価償却について紹介しました。不動産売却で得た利益には税金が課せられ、正しい申告が求められます。特に減価償却は計算がややこしい部分ですので、確定申告の時期に困らないように早めに理解しておくことが重要です。本メルマガを参考に、減価償却の計算を正確に行いましょう。

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