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囲い込みとは?

前回の「片手取引」と「両手取引」の違いに続き、今回は「囲い込み」とは何か、そしてそれが売主様にとってどのようなリスクをもたらすかについて説明します。

 

囲い込みとは?

囲い込みとは、売主様が依頼した不動産会社(売主側不動産会社)が、自社の利益を優先するために他社の不動産会社からの問い合わせや内覧希望を断る手法です。これにより、売主様が適正な価格で不動産を売却できないリスクが生じます。

 

通常の取引

通常の取引では、売主側不動産会社が物件を「レインズ」という不動産情報ネットワークに掲載します。レインズに掲載された情報は、全国の不動産会社が閲覧でき、買主側不動産会社はその情報を基に物件を紹介します。これにより、広範囲の買主に情報が届き、取引がスムーズに進みます。

 

囲い込みが行われると?

囲い込みが行われると、以下のような状況が発生します。

他社の問い合わせを断る
買主側不動産会社が物件を紹介したいと問い合わせた際に、「契約予定」や「内覧が難しい」といった理由で内覧を断る。

自社での両手取引を狙う
他社の介入を防ぎ、自社の買主と直接取引することで、仲介手数料を両方から得ようとする。

これにより、他の不動産会社経由で興味を持った買主が物件を内覧できず、結果として売主様の不動産が適正価格で売却されない可能性が高まります。

 

囲い込みを防ぐ方法

1. 別の不動産会社を通じて確認する

別の不動産会社に物件を紹介可能かどうかを問い合わせてもらいます。

「□□町1丁目戸建××万円ですがご紹介可能ですか?」

「既に申込が入っています」などの返答があれば、囲い込みの可能性が高いです。

 

2. レインズの取引状況を確認する

国土交通省がレインズにおける取引状況の明示を義務付けています。売主様自身も専用の閲覧画面から確認できます。

物件のステータスが「公開中」以外の場合は注意が必要です。

 

囲い込みに対する適切な対応

囲い込みを行っている不動産会社はごく一部ですが、売主様が自己防衛として確認することは重要です。ただし、不動産会社も人間ですので、過度に疑ってかかると販売活動自体に支障が出ることがあります。確認は適度に行い、不動産会社との良好な関係を維持することも大切です。

 

まとめ

囲い込みとは、売主側不動産会社が他社の介入を防ぎ、自社の利益を優先する手法であり、売主様に不利益をもたらす可能性があります。売主様は囲い込みを防ぐために適切な確認を行い、不動産会社と信頼関係を築くことが重要です。この情報を活用して、より良い不動産取引を行っていただければ幸いです。

更新日:2024年6月28日
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