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2024.06.30
囲い込みとは?
前回の「片手取引」と「両手取引」の違いに続き、今回は「囲い込み」とは何か、そしてそれが売主様にとってどのようなリスクをもたらすかについて説明します。 囲い込みとは? 囲い込みとは、売主様が依頼した不動産会社(売主側不動産会社)が、自社の利益を優先するために他社の不動産会社からの問い合わせや内覧希望を断る手法です。これにより、売主様が適正な価格で不動産を売却できないリスクが生じます。 通常の取引 通常の取引では、売主側不動産会社が物件を「レインズ」という不動産情報ネットワークに掲載します。レインズに掲載された情報は、全国の不動産会社が閲覧でき、買主側不動産会社はその情報を基に物件を紹介します。これにより、広範囲の買主に情報が届き、取引がスムーズに進みます。 囲い込みが行われると? 囲い込みが行われると、以下のような状況が発生します。 他社の問い合わせを断る 買主側不動産会社が物件を紹介したいと問い合わせた際に、「契約予定」や「内覧が難しい」といった理由で内覧を断る。 自社での両手取引を狙う 他社の介入を防ぎ、自社の買主と直接取引することで、仲介手数料を両方から得ようとする。 これにより、他の不動産会社経由で興味を持った買主が物件を内覧できず、結果として売主様の不動産が適正価格で売却されない可能性が高まります。 囲い込みを防ぐ方法 1. 別の不動産会社を通じて確認する 別の不動産会社に物件を紹介可能かどうかを問い合わせてもらいます。 「□□町1丁目戸建××万円ですがご紹介可能ですか?」 「既に申込が入っています」などの返答があれば、囲い込みの可能性が高いです。 2. レインズの取引状況を確認する 国土交通省がレインズにおける取引状況の明示を義務付けています。売主様自身も専用の閲覧画面から確認できます。 物件のステータスが「公開中」以外の場合は注意が必要です。 囲い込みに対する適切な対応 囲い込みを行っている不動産会社はごく一部ですが、売主様が自己防衛として確認することは重要です。ただし、不動産会社も人間ですので、過度に疑ってかかると販売活動自体に支障が出ることがあります。確認は適度に行い、不動産会社との良好な関係を維持することも大切です。 まとめ 囲い込みとは、売主側不動産会社が他社の介入を防ぎ、自社の利益を優先する手法であり、売主様に不利益をもたらす可能性があります。売主様は囲い込みを防ぐために適切な確認を行い、不動産会社と信頼関係を築くことが重要です。この情報を活用して、より良い不動産取引を行っていただければ幸いです。
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2024.06.25
自分で不動産価格を調べる方法
不動産売却を検討する際、ご自身の不動産がいくらで売却できるかを知ることは重要です。しかし、不動産会社に査定を依頼することに躊躇される方も多いです。そこで、今回はご自身で不動産価格を調べる方法をご紹介します。 自分で不動産価格を調べる方法 1. 周辺の販売中物件の価格を参考にする 現在販売中の物件は、自身の不動産価格を知るための良い参考になります。特に、同じような間取りや広さの物件を調べると精度が高くなります。 手順: ご自宅に投函されたチラシや、ポータルサイト(例:SUUMO、HOME'S)をチェックします。 周辺の販売中物件の価格を確認します。 計算方法: 参考にする周辺不動産の「価格 ÷ 広さ(m²)」で「m²単価」を求めます。 「m²単価 × 自身の不動産の広さ(m²)」で大まかな価格を算出します。 2. 相場サイトを確認する 手間をかけたくない方は、相場サイトを利用してみましょう。以下に代表的なサイトを挙げます。 イエシル(一都三県/マンションのみ) イエシル マンションナビ(全国/マンションのみ) マンションナビ 土地代データ(全国/土地のみ) 土地代データ 一戸建てについては個別性が高く同じ物件が少ないため、上記の「周辺の販売中物件の価格を参考にする」方法を利用してください。 注意点 ご自身で調べた価格はあくまで参考価格です。正確性に欠ける可能性があるため、実際に売却を検討する際には不動産会社に査定を依頼することをお勧めします。 最後に 自分で不動産価格を調べることは、不動産会社へ査定を依頼する前の参考になるだけでなく、不動産会社の査定が正しいかどうかの判断材料にもなります。まだ調べていない方は、ぜひお試しください。疑問や不安がある場合は、お気軽にご相談ください。 この方法を活用することで、不動産売却のプロセスをスムーズに進めるための第一歩を踏み出すことができるでしょう。
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2024.06.20
レインズとは何か?
不動産売却を考えている方は、「レインズ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。レインズとは「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の略称で、不動産会社しか見れないプロ向けの物件情報ポータルサイトです。今回は、レインズの役割と不動産売買の仕組みについてご説明します。 レインズの役割 レインズは全国の不動産会社が利用可能なシステムで、売主様から売却の依頼を受けると、不動産会社にはこの「レインズ」に登録する義務があります(登録しなくてもよい契約形態もあります)。レインズの主な役割は以下の2つです。 1. 情報の拡散 レインズに登録された物件は、全国すべての不動産会社が取り扱い可能になります。これにより、売却依頼を受けた不動産会社以外の不動産会社も、その物件を自社の顧客に紹介できるようになります。 過去の状況:レインズができる前は、売主様の不動産は依頼している不動産会社しか取り扱うことができませんでした。そのため、売れ行きはその不動産会社の努力に依存していました。 現在の状況:レインズがあることで、どの不動産会社に依頼しても全国の不動産会社に情報が行き渡り、迅速に買主様を見つけることができます。 2. 成約情報の蓄積 売買契約が成立した不動産は、レインズに成約事例として蓄積され、すべての不動産会社が閲覧可能になります。 取引事例比較法:不動産の価格は、過去の類似不動産の成約事例を基に価格を求める方法です。この成約事例を蓄積することで、不動産会社が次の取引を適切に行えるようになり、査定価格の根拠にもなります。 レインズのメリット レインズが存在することで、不動産取引は適切かつ活発に行われるようになりました。売主様にとっては、どの不動産会社に依頼しても、迅速かつ広範囲に買主様に情報が伝わるという大きなメリットがあります。 レインズの問題点 ただし、レインズにはいくつかの問題点もあります。 登録しない不動産会社:一部の不動産会社がレインズに登録しない場合があります。 囲い込み:登録しても他の不動産会社が取り扱えないようにブロックすることがあります(違法行為です)。 これらの問題を防ぐためにも、依頼先の不動産会社が信頼できるかどうかを見極めることが重要です。 まとめ レインズは、不動産取引を適切に活発化させるために重要な役割を果たしています。売主様は、レインズを活用して迅速かつ広範囲に物件情報を拡散し、適切な価格で売却できるようになります。しかし、不動産会社の選定も重要な要素ですので、信頼できる不動産会社に依頼することをお勧めします。 ご相談いただければ、不動産会社の見極め方やレインズの活用方法について詳しくアドバイスいたします。お気軽にお問い合わせください。
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2024.06.14
両手取引と片手取引
不動産会社が取引成立時に成果報酬として受け取る仲介手数料について、「両手取引」と「片手取引」の違いと、それに伴う収益構造を説明します。 両手取引と片手取引とは? 両手取引 一社の不動産会社が「売り手」と「買い手」両方を担当し、それぞれから仲介手数料を受け取る取引形態。 売り手からも買い手からも仲介手数料を得られるため、報酬が倍になる。 片手取引 「売り手」と「買い手」を担当する不動産会社がそれぞれ別の場合。 不動産会社はどちらか一方からしか仲介手数料を受け取らない。 仲介手数料の上限 法律で仲介手数料の上限が定められています。 取引額が400万円を超える場合:「取引価格 × 3% + 6万円」+ 消費税 例えば、3,000万円の不動産を片手取引で売却した場合、仲介手数料は最大105.6万円(税込)。 同じ取引を両手取引で行うと、売主と買主の両方からそれぞれ105.6万円を受け取るため、合計で211.2万円(税込)となります。 不動産会社が両手取引を目指す理由 両手取引では、片手取引と比べて得られる報酬が倍になります。労力は大きく変わらないため、同じ仕事で報酬が大きく増える両手取引を目指すのは当然です。 売主様への影響 取引形態の違いは売主にとって直接的な影響はありませんが、不動産会社が両手取引を狙うあまり、不当な方法を使う場合があります。これが「囲い込み」と呼ばれる手法です。 囲い込みとは? 囲い込みとは、不動産会社が他の不動産会社や買い手に物件情報を公開せず、自社だけで両手取引を成立させようとする手法です。これにより、売主は適正な価格で物件を売却できず、不利益を被る可能性があります。 誠実な不動産会社も多い ほとんどの不動産会社は、両手取引でも片手取引でも誠実に仲介としての役割を全うしています。しかし、自社の利益を優先し、不当な方法を取る不動産会社も存在するのが現実です。 囲い込みを防ぐ方法 売主様が囲い込みをされているかどうかを調べる方法もあります。現在販売活動を行っていて心配がある場合は、気軽にご相談ください。 不動産売却における取引形態について理解を深めることは、売主様にとって非常に重要です。どのような取引形態であっても、信頼できる不動産会社と協力して進めることが大切です。
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2024.06.12
売却時にかかる諸費用と税金
不動産売却を検討する際には、売却で得た資金の活用を考えることが多いですが、計画通りに進めるためには売却に伴う費用も把握しておく必要があります。以下は、代表的な費用についての説明です。 仲介手数料 不動産会社への報酬であり、取引額によって上限が定められています。 200万円以下:取引額の5% 200万円超から400万円以下:取引額の4%+2万円 400万円超:取引額の3%+6万円 (別途、消費税が発生) 2018年1月1日より、取引額が400万円以下の物件に関しては、現地調査費等の名目で仲介手数料以外の費用を請求できるようになりましたが、総額で18万円(別途消費税)を超えることはできません。 譲渡税 不動産を売却し利益(譲渡益)が出た場合に発生する所得税と住民税の総称です。不動産の保有期間が5年以内か5年超かで税率が変わります。詳細は国税庁のHPで確認できます。 国税庁の譲渡税に関するページ: リンク マイホームの場合、3,000万円分の利益(譲渡益)を控除できる特例があります(一定の要件を満たす必要があります)。 印紙税 売買契約書に貼付して納税する税金です。取引額に応じて金額が決まります。 国税庁の印紙税に関するページ: リンク 登記費用(住宅ローンを借りている場合のみ) 住宅ローンを借りたまま売却する際にかかる費用です。住宅ローンの残債を一括返済する際に、金融機関が設定した抵当権を登記簿謄本から抹消する必要があります。その際の登録免許税と、手続きを代行する司法書士への報酬が含まれます。費用は一般的に3万円以内です。 インスペクション費用(任意) インスペクションは不動産の健康診断のようなもので、実施するかは売主様の判断です。買主の要望があった場合、実施すると安心材料となります。費用はインスペクション実施会社や対象不動産によって異なりますが、10万円以内に収まることが多いです。 その他の費用 測量費 建物解体費 ハウスクリーニング費用 相続税等 対象不動産や売却に伴う事情によって、発生する費用は異なります。事前にどのような費用が発生するかを把握し、計画に影響を与えないようにすることが大切です。 売却を検討している不動産の具体的な費用について知りたい場合は、専門家に相談することをお勧めします。
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2024.06.10
不動産の買取という方法
不動産の売却を検討している際に「買取」という言葉をよく目にすることがあります。買取とは、不動産会社に不動産を直接買い取ってもらうことです。これは車やブランド品の売却で一般的な方法ですが、不動産の場合は少し異なる点があります。ここでは、不動産の買取のメリットとデメリットについて説明します。 買取のメリット 売却日をコントロールできる 買取を選ぶと、自分の都合に合わせて売却日を決めることができます。一般個人への販売では買い手の都合も考慮しなければならず、期日が合わずに価格を下げざるを得ない場合もありますが、買取業者はプロとして対応するため、柔軟に売却日を設定できます。 室内状況が関係ない 不動産会社はプロフェッショナルであるため、室内の状態が悪くてもその物件の本来の価値を評価して買い取ってくれます。個人の買い手の場合、室内の第一印象が大きく影響することがありますが、業者はそのような表面的な要素に左右されません。 安全に売却ができる 不動産取引には見えない部分が多く、個人との取引では契約後にトラブルが発生することがあります。買取の場合、買い手は不動産のプロフェッショナルなので、リスク管理ができており、売主にとって不利な条件を避けることができます。 買取のデメリット 価格が安くなる可能性がある 買取の最大のデメリットは、個人への売却と比べて価格が安くなる可能性があることです。不動産会社は買い取った不動産に付加価値を付けて再販し、利益を得るため、以下のような価格設定になります。 販売想定価格 - 付加価値を付けるための費用 - 自社の利益 = 買取価格 そのため、一般個人への販売価格と比べて低くなることが多いです。 ただし、必ずしも安くなるわけではありません。最近では、不動産会社が付けた付加価値を正当に評価されることが増えてきており、販売想定価格が上がるケースもあります。そのため、一般個人への販売価格と同等、またはそれ以上で取引できることもあります。 最後に すべての不動産が同じように評価されるわけではないため、売却を検討する際は「最悪いくらで売れるか」を知ることが重要です。必ず売却しなければならない事情がある場合、その金額で目的を達成できるかを確認することができます。売却を開始する前に一度「買取価格」を確認することをお勧めします。
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2024.06.08
売るのではなく貸すという選択
不動産売却の際、賃貸に出すことも検討する方が多いですが、賃貸に出すことにはメリットとデメリットの両方があります。以下では、ご自宅を賃貸に出す際の主なメリットとデメリットについて解説します。 賃貸に出すメリット 賃料収入が入る これは賃貸に出すことでの最大のメリットです。自身の収入に加えて賃料収入が得られるため、家計に余裕が生まれます。また、税金面でのメリットも享受できる場合があります(詳細は割愛します)。 将来住むことができる 賃借人が退去した後、将来的に再び自分で住むことが可能です。特に、転勤などで一時的に家を空ける場合に有効です。 賃貸に出すデメリット 空室リスク 賃借人がいない期間は賃料収入が得られず、住宅ローンが残っている場合はその支払いを自分で行う必要があります。 新たに住宅ローンが組みづらい 住宅ローンを重複して借りることが難しいため、新しい住まいを購入する際には借りづらくなることがあります。 賃貸中の物件は売却価格が安くなりやすい 賃貸中の物件を売却する場合、投資用不動産として評価されることが多く、「利回り」で評価されます。そのため、「住まい」としての評価と比べて売却価格が低くなることが一般的です。 注意点 住宅ローンが残っている場合の注意点 住宅ローンは、借りている方自身が実際に住むことを条件としています。そのため、賃貸に出す場合は優遇金利が打ち切られることがあり、結果として金利が増加する可能性があります。賃貸に出す前に必ず金融機関に確認し、計画に無理がないかを把握しましょう。金融機関に隠して賃貸に出すことは契約上違約となるケースが多く、見つかった場合は残債を一括で返済するよう求められることもあります。 最後に ご所有不動産を元々賃貸に出す前提で購入していない場合、一般的には賃貸に出すことをお薦めしません。ただし、不動産の状況や個別の事情によって判断が異なるため、賃貸をご検討の方は専門家にご相談いただくことをお勧めします。
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2024.05.25
第27期事業発展計画発表会を行いました
このたび、皆様のおかげをもちまして、無事に決算を迎えることができました。 日頃からご支援いただいているお客様 取引先の皆様 そして地域の皆様のお力添えの賜物であり 深く感謝申し上げます。 今後もより一層の努力を重ね、皆様のご期待に添えるよう、 さらなるサービス向上を目指すために 2024年5月14日(火) ホテル山楽にてインサイトハウス(TOMOSU-GROUP)は 「事業発展計画発表会」と題して今年度の方針発表会が行いました。 各事業部、部門ごとの前期の振り返りと今期の方針発表と 前期より7つの中戦略に基づくアクションプランの報告。 今期は8つのアクションプランを発表し 各プランごとに立候補されたリーダーより その目的やそれを実現するための目標や方法などをプレゼンをいたしました。